2015/03/18
巻いているだけでウエストが3週間でマイナス12cmという魔法のようなベルト(ただの白いゴム)を装着するようになってから早1年と6ヶ月が経過した。
「えっ!?まだ着けてたの?」と思う人もいるかもしれないが、今や俺にとってこの魔法ベルトは『日常生活を送る上で絶対に欠かすことのできない重要なアイテム』となっている。
なぜなら魔法ベルトを装着すると気持ちがシャキッとして身も心も引き締まる感じがするし、それだけじゃなくて冬なんかはこれを巻くとお腹がポカポカとあったかいんだから。
たまに魔法ベルトを装着し忘れて出かけたりするとね、すっかり落ち着きを失ってソワソワしてしまうんだよね。女性がうっかりブラジャーを着け忘れて出かけてしまった時の感覚に近いんじゃないかな?
まあ、それはさておき
きっと今これを読んでくれている皆様の大半は「どうせ効果ナシっていうオチでしょ?バレバレですけど!」などと思っていることでしょうね。
そんなお前ら愚民どもにこの言葉を贈ろう!
『継続は力なり!』
俺はこの愛すべき魔法ベルトを装着し続け、なんと1年と6ヶ月で!
ウエストマイナス6cm達成!!
このペースでいくと3年でウエストマイナス12cmの計算だね!余裕だね!余裕のよっちゃんだね!
まあ、もし仮にだ!百歩譲って仮に3年経ってもマイナス12cmにならなかったしよう!
それでも俺はこの愛すべき魔法ベルトを装着し続ける!5年後も10年後も!だって信じてるから!信じ続ければいつかきっと夢は叶うから!!
そして時は過ぎ…
『小口泰聡告別式会場』にて。
孫娘「ねえ、ママ。おじいちゃんの棺桶に入ってるあの白いゴムみたいなの何?」
母親「ああ、あれね。おじいちゃん、ずっと昔からお腹に着けていたのよ。本人は魔法ベルトって言ってたけどね。あれを巻くと3週間でウエストがマイナス12cmなんだって。私が物心ついた頃にはすでに着けてたからね。かれこれ40年ぐらい着けてたんじゃないかしら。」
孫娘「おじいちゃんってバカだったんだね。ねえ、ママ。バカって死んだら治るのかな?」
母親「どうだろうね。バカは死んでも治らないんじゃないかな?」
ところ変わって『この世とあの世の狭間にある裁判所』
閻魔大王「次のヤツ!入れ!」
僕「へへへ、どうも。長野県岡谷市からやってまいりました、小口泰聡と申します。へへへ。」
閻魔大王「ヘラヘラすんな!おい!お前が腹に巻いてるその白いゴムは何だ!?」
僕「あ、コレっすか?コレは魔法ベルトっす!3週間でウエストマイナス12cmっす!」
閻魔大王「きさま…俺をナメてんのか?はずせ!いますぐそれをはずせ!現世の物はあの世には持っていかれない規則になってんだよ!三途の川で説明聞いただろ!お前まさか居眠りこいてたんじゃないだろうな!とにかくはずせ!今すぐはずせ!!」
僕「いやいやいや、それは無理っす!生前もずっと着けてたし、せっかく家族が棺桶に入れてくれたんで。絶対無理っす!」
閻魔大王「…ハァ~」
僕「なんすか?いま「ハァ~」って溜め息つきましたよね?どっちっすか?俺、天国っすか?それとも地獄っすか?」
閻魔大王「まったく…お前みたいなヤツは天国でも地獄でも面倒見きれないんだよ。とりあえず現世にもどれ。」
僕「えええ!?マジっすか?もう面倒くせえっすよ!現世なんて!せっかくここまで来たんだからどっちかに行かせてくださいよ!俺、だいたいどんな人にも合わせられるし仲良くやれる自信あるんでお願いしますよ!」
閻魔大王「ええい!だまれ!オイ!早くコイツを連れて行け!」
鬼たち「へいっ!」
僕「なっ…なんだお前らっ!おい!やめろ!イテテテっ!乱暴するなよ!この鬼ども!俺はまだ死んだばっかりなんだからもうちょっと丁寧に扱えってんだ!」
再び『小口泰聡告別式会場』にて。
孫娘「あれ!?今おじいちゃんピクって動かなかった?」
母親「バカねぇ。そんなわけないじゃない。」
孫娘「ほら!動いてるよ!絶対動いてるって!」
母親「ま…まさか!こんな事って!?」
ご参列の皆様「うおぉぉ!?なんだなんだ!?何だか知らないけど生き返ったぞ!!一体どうなってるんだ!?」
孫娘「ほらママ!見て!おじいちゃん立ち上がったよ!お腹に魔法ベルト巻いて笑ってるよ!」
僕「グッドモーニングエブリワン!恥ずかしながら帰って参りました!」
あれから約300年経った現在でもその伝説は語り継がれ、そして小口家の仏壇には家宝として『魔法ベルト』が奉られているという。