オグチ★フラッシュマンのすべらないかもしれない話すべるかもしれない話

2003年頃よりインターネットを通じて全世界へと発信し続けている大量の駄文です。※スマホ版は【記事を検索🔍】の欄に2013/01とか入れると年別月別に読むことが可能です。

2020/03/29

2003年頃に書いた未完の処女作、幻のBar『DOORS』の原本が出てきたとの事。

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「あぁ、そんなものもあったな」と、古いハードディスクを引っ張り出してきてデータを発掘して読んでみた。

【感想】
うん、妄想ふくらませ過ぎて着地点が見えなくなっちゃってるね。

 

 

 

幻のBar「DOORS」

 

そのBarがどこにあるのかを正確に説明できる人間はいない。

北海道のススキノにあるという人もいれば、新宿二丁目の裏通りだという人もいる。またある人はタイのサムイ島から船で一時間ぐらいのところにあるパンガン島という小さな島にあるのだといっている。

 

・ ・・・幻のBar「DOORS」・・・・

 

様々な説が流れているが、実はそのBarに行ったことのある人間すべてに共通している点がある。

それは「DOORS」に行った人間は必ずその夜とってもHな体験しているのである。

カウンターには2人の客が座っている。30代前後の男と20代半ばぐらいの女。まるで付き合いはじめたばかりのカップルのように会話をはずませているが、実はこの2人、つい数時間前に知り合ったばかりである。出会いの場所はパチンコ店。

彼女はなんとなく立ち寄ったパチンコ店で、はじめてのパチンコにもかかわらずいきなり大当りを引き当ててしまったのである。

「あっ、エッ….どうしよう!?そろっちゃったぁ」

どうしたらいいのか分からず半分パニックになりかかっている様子に気付いた隣の男があわてて声をかけた

「大丈夫、大丈夫!!ここらへんをねらって!」そう言って玉をねらう位置を指差した。

「エッ….こっ!ここらへんですか?」

「そうそう!そこそこ!!そのままハンドルを動かさないでっ!!」

 

その後2人は儲けた金で祝杯をあげようと話になり、たまたま「DOORS」に入ったのである。

「さっきは本当にありがとうございましたっ。わたしパチンコやったの初めてで…..それなのにいきなりそろっちゃって!だからもうビックリしちゃって!!」

彼女はまだ興奮冷めやらぬといった表情でしゃべっている。酒が弱いのだろうか1杯目のカルーアミルクのグラス半分ぐらいで頬がほんのりピンク色に火照っている。

「へえー…ナナちゃんはパチンコ初めてだったんだあ。それにしてはスゴイなあ。いきなりあんなに連チャンするなんて!ひょっとしたら才能あるのかもしれないよ」

ナナは照れ笑いをしながら

「そんなぁ才能だなんて…浅野さんこそすごいですよーあんなにたくさん出してるのにまるで当たり前のような顔してるんだもん」

浅野はすでに2杯目のワイルドターキーのロックを飲んでいる。グラスの中の氷をカラカラと揺らしながら何か意味ありげな笑みを浮かべて言う

「どうして僕が当たり前のような顔をしてあれだけ連チャンしてたのか……わかる?」

ナナは数秒間考えて

「……もしかして攻略法があるとか?」

「おっ…….ナナちゃんはなかなか感が鋭いなぁ、…実はそうなんだよ。僕はその攻略法を使って店から店をわたり歩いて、うーんそうだなぁ..。1ヵ月に100万ぐらいは稼いでるかな」

ナナは驚きのあまり大きな瞳をさらに大きくして

「ひゃ…100万って100万円ってことですよねぇ!?どうしてそんな攻略法を知ってるんですか?すごいーッ、」

「シッ!」浅野はナナの口唇に人差し指を当てて言う

「ナナちゃん声が大きいよっ!ここだけの話だけど実は僕はパチプロ集団の尿淡白(ニョウタンパク)の出身なんだよ。」

ナナはさらに驚いて

「エッ…あのテレビとかで有名な梁山泊(リョウザンパク)ですか?」

「……リョウザンパクじゃなくてニョウタンパクだよ。とってもHな…いや、とってもすごいパチプロ集団で、あまりメディアにのると仕事がやりにくくなるんでマスコミには絶対にバレないように、という掟があるからナナちゃんは知らないかもしれないけど。」

ナナの頭の中はもう100万円のことしかなくなっていたので、普通ならちょっとくらい怪しいなと思うはずのところをまったく疑いもせずに浅野の言葉を全面的に信用しきっていた。

「もしナナちゃんさえその気があるならその攻略法を伝授してあげてもいいよ。」

その浅野の言葉を聞いたナナは完全に舞い上がってしまった。

「えっ?本当ですか?エーッ!!本当に本当に本当ですかぁー!!」

浅野は笑いながら言う

「あぁ、本当に本当に本当だよ。ただし僕の指導はちょっと厳しいよ!ついてこれる自信はあるかい?」

「はい!わたし浅野先生にどこまでもついてゆきます!絶対についてゆきます!」

「よし!じゃあこれからすぐにでも伝授しよう!だがこの場所じゃあちょっと無理だな。ナナちゃん時間は大丈夫?」

ナナは明日バイトで朝早かったのだがこんなチャンスは2度とないだろうと思いOKした。

「は…はい!全然大丈夫です。」

 

「DOORS」を後にした2人は浅野の運転する車である場所に向かっていた。ナナは車が一体どこに向かっているのかを知らされていない。やがて浅野の運転する車はたくさんのネオンがキラキラと輝く地区へとはいっていった。ラブホテル街だ。

「よし!ここなんか攻略法を伝授するにはもってこいだな!」

そう言って浅野はウインカーを出しラブホテルの駐車場にすっと入った。

ナナは慌てふためき

「エッ!浅野さん!?どうしてこんな所に入るんですか?わ…わたしそんなつもりじゃないし、それにそんなに軽い女じゃないです!!」

ナナは少し怒った口調になったが浅野は冷静な口調で答えた

「ナナちゃん、勘違いしないでよ!僕だってそんなつもりはないし、これでも僕は自分のことを紳士だと思ってるんだから。」

続けて浅野は

「いいかい?ナナちゃんよく聞いてよ!尿淡白(ニョウタンパク)の攻略法は絶対に外部の人間に知られてはいけないんだ!だからナナちゃんに教えるのだって本当はとてもヤバイことなんだ!それをそこらへんのファミレスなんかでやってみろ。僕の命があぶないよ!」

僕の命があぶない、だなんてちょっと言い過ぎたかな?と浅野は思ったが、それがどうやら効果てき面だったらしく、ナナは瞳をウルウルさせながら

「ゴ…ゴメンナサイ…。わたしが間違ってました。浅野さんがまさか命がけでわたしなんかに攻略法を教えてくれようとしてたなんて…。あらためて言わせて下さい!わたしはどこまでも浅野さんについてゆきます!」

「うん、わかってくれて僕もうれしいよ」

浅野は薄暗いホテルの駐車場でナナに気付かれない様にニヤリと笑った。

(未完)