2018/01/29
※長文の上に超くだらなくて下品です。ご了承下さい。
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「いいんだぜ?こういう時は泣いたっていいんだぜ?」
誰かが僕にそうささやいた。
そんな気がする。
見よ!現在40代前半から後半の岡谷南高校卒業生の男子諸君!
このパンに見覚えがあるだろう?忘れたなんて言わせないぞ?
学校の昼休みに来るパン屋さんでしか買えなかったあの伝説のパン!卒業後、いくら探してもどこにも売っていなかったあの幻のパン!
そう!
通称ま⚫こパン!!
約30年近くの時を経て、ついにあのま⚫こパンに極似しているパンを見付けたよ!
会社に来る移動販売パン屋さんでこのパンを見付けた瞬間「あっ!!ま⚫こパンだ!!」と思わず叫びそうになった。慌てて「今日はめずらしいパンがありますね」などと冷静さを装ってはみたものの、胸は高鳴り、お金を支払う手が少し震えた。
いま思えば、ま⚫こパンは僕達の青春の象徴みたいなものかもしれない。いや、青春そのものだ。童貞だった僕達はビデオの中でしか見たことのない、まだ見ぬ生(なま)の観音様に想いを寄せて日々ムラムラしていた。
バンドをやったり髪型をカッコつけてみたり、ありとあらゆる行動の全ては女にモテたい一心であり、もちろんその先にあるイヤラシイ行為を夢見ていた。
仲間たちがひとり、またひとりと童貞を卒業していく中、僕は少し遅れをとった。それでも高校2年の終わり頃だっただろうか、僕にもついに大人になる日がやってきた。
あの日、あの時、あの場所で流れていたのは小田和正の『ラブストーリーは突然に』だった。流れていたというか自分で流した。そういう雰囲気に持ってく為に意図的に流したのだ。ごめんよ、和正。
そんな淡い青春の1ページに浸りながら、ま⚫こパンに極似したパンを食べてみた。
しかし残念なことに似ているのは形だけで味は全くの別物だった…
なんだかすごく胸が締め付けられる感じがして改めて実感した。
『もう二度とあの青春の日々には戻れないのだ…』と。
風の噂によると、あのパン屋さんはとっくの昔に廃業しているらしい。つまりま⚫こパンはもうこの世のどこにも存在しない。もはや想い出の中にしか存在しないのだ。
劇場版銀河鉄道999の最後の別れのシーンでメーテルが鉄郎に言った言葉を思い出した。
「私は、あなたの想い出の中にだけいる女。私は、あなたの少年の日の心の中にいた青春の幻影。」
そう。僕にとってのメーテルは、ま⚫こパンなのだ。
「いいんだぜ?こういう時は泣いたっていいんだぜ?」
誰かが僕にそうささやいた。
そんな気がする。