オグチ★フラッシュマンのすべらないかもしれない話すべるかもしれない話

2003年頃よりインターネットを通じて全世界へと発信し続けている大量の駄文です。※スマホ版は【記事を検索🔍】の欄に2013/01とか入れると年別月別に読むことが可能です。

グルメな僕 青春日記より2004/01

グルメな僕

僕の仕事は車で移動する仕事なので昼飯はもっぱら外食である。
今日は茅野の山の方まで行く日で、その日は決まって某どんぶり屋で昼飯を食べる。そして、その店に行くと僕は必ずカツ丼を食べることにしている。
なぜならそのカツ丼は最高に美味いからである。
あつあつご飯の上にのせられたジューシーで、ほどよい厚みのトンカツ。そしてタマゴは絶妙の半熟加減。さらに、これでもかと言わんばかりのつゆダク!それでいて¥680というカツ丼にしては安い値段。ここまで言えば僕がそのカツ丼にどれだけ惚れ込んでいるかがお分かりだろう。

今日も朝早くから仕事をして、そしてようやく昼になりその店に行った。

さて、お楽しみランチタイムだ。

のれんをくぐり店に入ると、いつもなら労働者たちでにぎわっているのに今日は客が一人もいない・・・店員もいない・・・いつもなら注文をとる関西弁のおばちゃんがいて、その息子と思われるおにいさんが奥で調理しているはずなんだが・・・

「すみませーん!」と声をかける
すると店の奥から
「いらっしゃーい」といいながら見た事のないオッサンが登場した。
そのオッサンをパッと見た瞬間、僕はすぐに分かった。










このオッサンは間違いなくアホだと。


なぜならアホのオーラが顔や声などから出まくっていたからだ。

「やってますか?」と僕。
「やってますよー。どうぞ」とオッサン。

僕は席に座り「すみません!カツ丼ひとつ!」と注文した。
するとオッサン「すんませーん。その紙に書いてくださーい」といって各席に設置されている注文用紙を指差した。
客は僕一人しかいないのにそんな必要あるのか?と思いながらも、その紙のカツ丼の欄に丸をつけて渡した。
「ハイ!カツ丼一丁!」と元気よく言って、そのおっさんは調理場に入っていった。

10分ほどすると、もう一人お客さんが入ってきた。
そのお客さんも「すみませーん」とオッサンを呼び、続けて「カツ丼ひとつ!」と言った。
するとオッサン「ハイ!カツ丼一丁!」と元気よく言って、また調理場へと入っていった。











あれ?紙に書くんじゃねえの?突然ルール変更?


しばらくすると、また一人お客さんが入ってきてオッサンを呼び「牛すじ丼ひとつ」と注文。
するとオッサン「すんませーん。その紙に書いてくださーい」














どういうルール?奇数の人は紙に書くルール?


予想通りのアホだな!と思いながら待つ事20分以上。
そしてようやく「はい!おまちどう!」といってオッサン登場!
テーブルの上に置かれたカツ丼は明らかに、いつもとは違っていた。
どう見ても調理の手順を間違っている。

きっとこのおっさんの調理の仕方はこうだっただろう

①鍋につゆをいれて玉ねぎと卵を煮込む。
②ご飯をどんぶりに盛る。
③ご飯の上に煮込んだ玉ねぎと卵をのせてつゆをかける。
④トンカツを揚げる。
⑤トンカツを切ってその上にのせる。
⑥完成









トンカツに味が無いんですけど・・・・

しかも全然つゆダクじゃねえ!
まったく!この店も落ちたもんだぜ!

そんなことを思いながらも5分後には見事完食した僕はレジの所に行き
「お勘定お願いします」と再びオッサンを呼んだ。

オッサン登場「ありがとうございます。¥680です」

僕は千円札を出した。

オッサンはレジに向かって6・8・0と打ち、最後にレジの引き出しが開くボタンを押した・・・・



















だがしかし、引き出しは開かなかった・・・・


オッサンは「アレ?おかしいな」と言って、何度も何度も6・8.0と打ち直しては引き出しが開くボタンを押すが全然開かない。その後オッサンはすべてのボタンをカチャカチャと押しまくっていたがダメで、それならばとカギを回して電源を入れなおしてやっても開かない。引き出しを無理やりこじ開けようともしたが当然のごとくダメ。

あきらめたオッサンは突然ある行動に出た。

















「ありがとうございました!」

そう言い直してオッサンは、おもむろに自分のズボンのポケットに手を突っ込み、タバコやらライターやらカギやらと一緒に小銭をジャラっと出して僕にお釣りの¥320を手渡した。

僕はお釣りを受け取り、そしてオッサンの顔を見た。
すると・・・












オッサンの顔がつゆダクになっていた・・・・


僕は何だか悪い事をしたような気持ちになった。