オグチ★フラッシュマンのすべらないかもしれない話すべるかもしれない話

2003年頃よりインターネットを通じて全世界へと発信し続けている大量の駄文です。※スマホ版は【記事を検索🔍】の欄に2013/01とか入れると年別月別に読むことが可能です。

涙のバレンタインデー 青春日記より2004/01

涙のバレンタインデー

毎年バレンタインデーが近づくと必ず思い出す事がある。
それは遥か昔、僕がまだ小学校低学年だった頃の切ない記憶。

バレンタインデーの日、近所に住んでいたツヨシ君が僕の家に遊びに来ていた。
2人で遊んでいると、母親が僕を呼んだ。

「マユミちゃんがチョコレート持って来てくれたよ!」

ドキドキしながら出てゆくと、そこには近所に住んでいた憧れのマドンナ、マユミちゃんが立っていた。チョコレート片手に。

マユミちゃんは「これあげる」と言ってチョコレートを差し出した。
僕はドキドキしていて何も言えず、何も言わず、そのチョコレートを受け取ろうと手を伸ばした。
その瞬間、チョコレートは僕の手をすり抜けて



















ツヨシ君に手渡された!

その瞬間を僕は今でもはっきりと憶えている。

まるで、矢吹ジョーと力石が試合の後、握手をしようとしたが、その手と手がすり抜けてしまったような・・・・まさにそんなタイミングだった・・・・

それ以来、僕は『ツヨシ』という名前の人間に出会うたび、劣等感を感じる人間になってしまった。一生消える事の無い傷を負ってしまったのである。「君は強しで僕は弱し」そんな言葉が頭の中をグルグルと回ってしまうのである・・・


それから何年か経ったある日、僕の母親もその時の事を憶えていたらしく僕にこう言った

「あの時は我が息子ながら情けなかった・・・」



本当に泣きそうになった。