オグチ★フラッシュマンのすべらないかもしれない話すべるかもしれない話

2003年頃よりインターネットを通じて全世界へと発信し続けている大量の駄文です。※スマホ版は【記事を検索🔍】の欄に2013/01とか入れると年別月別に読むことが可能です。

夏の思い出2(16歳) 青春日記より2004/01

夏の思い出2(16歳)

高校一年生の夏。
仲の良かった3人の男たちは酒を飲みながら夏休みの計画を立てていた。
「何かデカい事をやろう!」と・・・

いくつもの案の中から最終的に残ったのは
自転車で海に行って女をナンパする!
という典型的なバカが考えそうな計画だった。

しかし、その頃の僕らにとってはデカい事と呼べるにふさわしい計画だった。山に囲まれた町で生まれ育ったハナタレ田舎者が海に行って女をナンパするという妄想に胸をおどらせたのは言うまでも無い。もちろん3人とも童貞だった。

3人の男とは、僕と、会員ナンバー0の男(過去の青春日記参照)、そしてユタカという僕の小学生からの幼なじみの3人である。

僕も会員ナンバー0の男も、どうしようもないヤツだったが、そのユタカというのは、もっとどうしようもないヤツだった。学校の尿検査のときションベンを入れずに烏龍茶を入れてゆき停学になったり、ぎょうちゅう検査のとき犬のウンコを入れてゆき、先生に「お前は、ぎょうちゅうがたくさん居過ぎるから早く病院にいきなさい」といわれたり、とにかく3人の中では最もクレイジーな男だった。


出発の朝。
僕が集合場所に着くと、すでに会員ナンバー0の男がいた。変速ギアのついたサイクリング車に乗ってきていた。僕も当然のごとく変速ギアのついたサイクリング車だ。僕と会員ナンバー0の男が「いやぁ~ワクワクするなぁ~」みたいなことを話していると、ユタカが自転車に乗ってやってきた・・・




















・・・・・・ママチャリだった・・・・・・

しかも変速ギアなし・・・

ふと見るとママチャリのカゴの中に何か入っている・・・・





















社会科の授業で使っている日本地図だった・・・・・


どこまで行くつもりだったのだろうか?しかもママチャリで・・・・



そして3人は遥か遠い海へと旅立った。
そこからの記憶はあまり残っていないが、とにかく汗だくになって狂ったようにペダルをこいでボロボロになりながら海にたどり着き、女をナンパする勇気もなく、無邪気に波とたわむれ、ビールを飲んで浜辺に野宿し、蚊に何十ヶ所も刺され、またボロボロになりながらペダルをこいで命からがら地元に帰ってきた。一番ボロボロになっていたのは当然のごとくユタカだった。途中でチェーンが切れたりもして散々な目にあったユタカは、ろくに口もきけない状態になっていた。




ユタカは、その後の高校生活で何度か停学になり、単位を取るために猛勉強をして、成績がグングン上がり、最後には有名な大学に受かってしまった。


以来、彼には一度も会っていない。